01なぜ"感覚発注"を抜け出すべきか
EC事業の伸び悩みの多くは、売上の問題ではなく 在庫が読めていないことに起因する資金繰り問題 です。欠品で機会損失、過剰在庫でキャッシュが寝る。どちらも経営者の感覚値だけでは防げません。
幸い、年商数億円規模までは エクセルだけで十分に在庫管理を回せます。本マニュアルでは、SaaSを買う前にまず自分でできる基本ステップをまとめました。
02最初に揃える3つの数字
難しいことは要りません。まず以下の3つだけ商品ごとに揃えてください。
| 項目 | 内容 | 取得方法 |
|---|---|---|
| 1日あたり平均販売数 | SKUごとの直近30〜60日の平均 | 各モール売上CSVから集計 |
| リードタイム(仕入〜入庫) | 発注〜倉庫到着までの日数 | 仕入先に確認 |
| 現在の在庫数 | 本日時点のSKU別在庫 | WMS or Excelで管理 |
03適正在庫の計算式(コピペで使える)
もっともシンプルな適正在庫の式は以下です。
適正在庫 = 1日平均販売数 × ( リードタイム + 安全在庫日数 )
安全在庫日数は、需要の振れが小さい商品なら 3〜5日、大きい商品なら 7〜14日 を目安にしてください。
具体例
- 1日平均販売数 = 20個
- リードタイム = 7日
- 安全在庫 = 5日
- → 適正在庫 = 20 × ( 7 + 5 ) = 240個
現在の在庫が240個を下回ったら発注、というシンプルなルールにできます。
04在庫回転率の見方
在庫回転率は「在庫がどれだけのスピードで売れているか」の指標です。
在庫回転率(年) = 年間売上原価 ÷ 平均在庫金額
EC物販の目安は 年4〜12回転。回転率が低い商品は、在庫がキャッシュのまま寝ているサインです。
POINT
売上ではなく "在庫回転率" を毎週見ることで、儲かっているように見えて資金繰りが詰まる、という事態を未然に防げます。
05欠品リスクの早期検知
以下の式で、各SKUの「あと何日で欠品するか」が分かります。
欠品予測日数 = 現在在庫 ÷ 1日平均販売数
この値が リードタイム + 安全在庫日数 を下回ったら、即発注のサイン。エクセルに条件付き書式を入れて自動でハイライトさせると見落としません。
06過剰在庫を見つけるルール
過剰在庫の代表的な検知ルールは以下の3つです。
- ルール1:在庫日数(現在在庫 ÷ 1日平均販売数)が 90日を超える
- ルール2:直近30日の販売数が 0 のSKU
- ルール3:在庫金額が SKU合計金額の 5%超 を占める単一SKU
該当するSKUは、値引き販売・セット組み・倉庫からの撤去 など、現金化のアクションを優先すべき候補です。
07毎週やるべきチェックリスト
毎週月曜の在庫レビュー(30分)
- 欠品予測日数が短いSKUの確認・発注
- 在庫日数90日超のSKUに対するアクション決定
- 新商品・終売商品の在庫位置の確認
- 各モールの実在庫と帳簿在庫の突合(最低週1回)
- 在庫回転率の前週比チェック
- 仕入先のリードタイム変動の確認
08SaaSを検討する判断基準
エクセル管理の限界は、ざっくり以下のラインにあります。
- SKU数が 500を超える
- 運用するモールが 3つ以上(楽天・Amazon・自社EC・Yahoo・Qoo10など)
- 欠品検知に 毎日30分以上 かかっている
- 在庫データが 3つ以上のシステムに散在 している
これらに当てはまるなら、AI在庫最適化SaaS「S-wallet」のようなツールでの自動化を検討してください。
本マニュアルの想定読者
年商数千万円〜数億円規模のEC事業者で、これから在庫管理の仕組みを整えたい方を想定しています。お困りごとがあれば、お気軽にご相談ください(60分の在庫健康診断は無料です)。