「Excelの集計作業に、毎週何時間も取られている」という相談をよく受けます。ECモール別の売上を1つの表にまとめる、複数の担当者が作ったファイルを突き合わせる、といった作業です。この種の作業は、プログラミングができなくてもClaude Codeで自動化できます。
当社はEC事業者向けの在庫最適化SaaSを開発・運営している会社で、社内の売上集計・在庫突き合わせに実際にClaude Codeを使っています。この記事では、Claude Code自体の説明は最小限にとどめ、Excel・CSV業務での具体的な使い方に絞って手順を書きます。(Claude Codeの導入手順自体はClaude Code 使い方ガイドで解説しています)
なぜExcelの手作業を「AIに読ませる」だけで終わらせられるのか
Excelのマクロ(VBA)を書くのはハードルが高く、関数だけでは複雑な突き合わせに対応しきれません。Claude Codeは、この中間を埋めます。
- Excelファイルを直接開いて中身を読む(シート・セルの構造を理解する)
- 「A社の形式とB社の形式が違う」といった表記ゆれをその場で吸収する
- 集計結果を新しいExcelファイルとして出力する
- 間違っていれば、その場で「ここが違う」と伝えるだけで直る
マクロを書く必要も、関数を組む必要もありません。 日本語で「何をしたいか」を伝えるだけです。
実務での使い方:当社が実際にやっている3つの例
例1: モール別売上表の統合
Amazon・楽天など、モールごとにダウンロードした売上CSVは列の並び・項目名がバラバラです。
Amazon、楽天、自社ECの3つの売上CSVを読み込んで、商品名・数量・金額の列を揃えて1つのExcelに統合して。モール名の列を追加して。
初回は列名の対応関係を確認しながら進みますが、CLAUDE.md(作業ルールを書いておくファイル)に一度フォーマットを書いておけば、翌月からは「先月と同じ形式で」だけで終わります。
例2: 在庫表と販売実績表の突き合わせ
在庫管理でよくあるのが、「在庫表」と「販売実績表」を商品コードで突き合わせて、在庫日数や欠品リスクを出す作業です。
在庫一覧.xlsxと直近90日の販売実績.csvを商品コードで突き合わせて、在庫日数(在庫数÷1日あたり販売数)を計算し、90日を超える商品を金額の大きい順に並べたExcelを作って。
Excelの VLOOKUP や INDEX/MATCH を手で組む必要がありません。計算の考え方さえ言葉で伝えれば、実装はClaude Codeが行います。
例3: 複数人が作った申請書・報告書の転記チェック
担当者ごとにフォーマットが微妙に異なるExcelの申請書を、決まった様式に転記し直す作業も自動化できます。
このフォルダにある申請書10件を読んで、日付・金額・担当者名を抜き出し、集計用テンプレートに1行ずつ転記して。金額の桁が明らかにおかしいものは別シートに警告として出して。
「転記ミスがないか人が目視で確認する」から、「怪しい行だけ人が確認する」に変わるのが、この使い方の効果です。
手順:最初の1本を自動化するまで
- Claude Codeをインストールする(手順はClaude Code 使い方ガイド参照)
- 対象のExcel・CSVファイルを1つのフォルダにまとめる
- 「何を・どこから・どんな形式で出すか」を1文で指示する
- 出力結果を目視で検算する(最初の数回はここを省略しない)
- 問題なければ、同じ指示を「先月と同じで」のように短縮して再利用する
つまずきやすいポイント
- 指示が大きすぎる: 「売上を分析して」ではなく「モール別・月別に集計して、前月比を出して」のように区切ると精度が上がります
- 文字コード・日本語ファイル名: 日本語Excel・CSVはShift-JISが混在しがちです。文字化けした場合は文字コードを明記して指示し直してください
- 元ファイルへの直接上書き: 「元ファイルは変更せず、結果は別ファイルに出す」を最初にルール化すると事故を防げます
- 検算をしない: Claude Codeは高い精度で作業しますが、金額を扱う業務では最初の数回、人の目での検算を省略しないでください
よくある質問
Q. VBAが書けなくても使えますか? 使えます。VBAや関数の知識は不要です。日本語で「何をしたいか」を伝えれば、実装(コードやスクリプト)はClaude Code側が行います。
Q. 大きなファイル(数万行)でも動きますか? 行数が多い場合も動きますが、処理に時間がかかることがあります。まずは1ヶ月分など小さい範囲で試し、精度を確認してから対象を広げることを勧めます。
Q. 料金はいくらですか? Anthropicの有料プラン、またはAPI従量課金が必要です。最新の料金はAnthropicの公式料金ページで確認してください。
Q. 会社の売上データを扱っても大丈夫ですか? Anthropicの商用プランでは、送信データが既定でモデル学習に使われない設定が提供されています。ただし、顧客の個人情報や認証情報を扱うファイルは対象から外す運用ルールを先に決めることを勧めます。
まとめ:集計を「1つだけ」置き換えることから
Excel業務の自動化は、全部を一気に置き換える必要はありません。毎週・毎月繰り返している集計を1つだけ選び、そこから置き換えるのが失敗しない進め方です。慣れてきたら、突き合わせ・転記・レポート作成へと対象を広げてください。
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