更新:2026年10月1日。無料の練習データと検算結果を追加しました。
Claudeで在庫管理を試すなら、最初の仕事を「在庫表の点検」に絞ると、出力が正しいか確かめやすくなります。この記事では、8行の架空データから、入力ミスを見つけ、発注を確認する商品を2点選ぶところまで進めます。
自社データを用意する必要はありません。サンプルと指示文を使い、最後に答え合わせができます。登録不要でダウンロードできます。
無料で試す:在庫点検スターターキット
8行の架空データ、3つの指示文、この記事内の検算結果をセットにしました。欠損・重複・負数を意図的に含む練習用です。
1. CSVを添付する
Claudeの新しいチャットで、ダウンロードした inventory-sample.csv を添付します。ClaudeはCSVの添付に対応しています。Excel版を使う場合は、コード実行とファイル作成の設定が必要になることがあります。操作・提供条件はAnthropic公式のファイルアップロード案内で確認できます。
データには、行ID、SKU、現在庫、直近30日の販売数、調達日数、安全在庫の6列があります。数量の単位はすべて「個」です。在庫の基準日は2026年10月1日、販売数は直前30日間の合計とします。
最初から「発注数を教えて」と頼まず、入力データの点検から始めます。 空欄がゼロに変わったり、同じSKUが無条件で合算されたりすると、計算式が正しくても結果は変わってしまいます。
2. 指示文①:欠損・重複・負数を分ける
次の文章をコピーして送ってください。
添付の在庫データを点検してください。これは練習用の架空データです。
Excelの場合は「架空の在庫データ」シートのA1:F9だけを対象にします。
1. データ行数と列名を確認する。
2. SKUは文字列の識別子として扱う。
3. 現在庫・販売数・調達日数・安全在庫の空欄、非数値、負数を行ID付きで列挙する。
4. 同じSKUが複数行ある場合は該当する全行を列挙し、合算・削除・推測補完をしない。
5. 問題がある行は計算対象から除外する。1行に複数の問題がある場合も全て示す。
6. 元データは書き換えず、問題一覧と計算対象の行ID一覧を出す。
空欄と0は区別してください。まだ発注の判断はしないでください。
ここで見るのは文章の説得力ではなく、除外した行IDと理由が合っているかです。コード実行が使える環境では、Python等で集計し、使った式も出すよう追加で頼めます。
3. 指示文②:発注を確認する商品を抽出する
点検結果を確認したら、続けて次を送ります。
問題のない行だけで、次の練習用ルールを計算してください。
・1日平均販売数 = 直近30日販売数 ÷ 30
・現在庫日数 = 現在庫 ÷ 1日平均販売数
・発注点 = 1日平均販売数 × 調達日数 + 安全在庫
・現在庫が発注点以下なら「発注確認」、それ以外は「基準超」
・販売数が0なら現在庫日数を計算せず、判定は「販売ゼロ・個別確認」
判定は丸める前の値で行い、表示は小数第2位までにしてください。
行ID、SKU、1日平均販売数、現在庫日数、発注点、判定、根拠を出してください。
発注確認は発注の確定ではありません。発注数量は計算しないでください。
入荷予定、引当、最低発注ロット、セール予定は未提供として明記してください。
この教材は、販売が毎日一定という簡略化したルールです。季節変動や売り切れ期間は織り込んでいません。販売ゼロの商品も、滞留しているのか、販売を停止しているのか、発売前なのかで扱いが変わります。
4. 指示文③:数字を検算する
今の結果を検算してください。
元データの行数、除外した行数、計算対象の行数を示し、合計が一致するか確認する。
計算対象の現在庫合計を示す。除外行は足さず、空欄を0として扱わない。
「発注確認」「基準超」「販売ゼロ・個別確認」の行IDと件数を示す。
A001とA005について、計算に使った元の数値を代入して説明する。
不明点があれば推測で埋めずに、その項目を列挙する。
答え合わせ:発注確認はA001とA005
正しく処理できていれば、次の結果になります。これは本教材の計算ルールに対する正解で、実店舗への推奨発注ではありません。
- 元データ:8行。
- 除外:4行。行4は現在庫が空欄、行6は現在庫が負数、行7・8はSKUの重複。
- 計算対象:行1・2・3・5の4行。現在庫合計は 250個。
- A001:平均販売2個/日、在庫10日分、発注点34個。現在庫20個なので 発注確認。
- A002:平均販売1個/日、在庫180日分、発注点19個。現在庫180個なので 基準超。
- A003:販売ゼロ。在庫日数は算出せず、販売ゼロ・個別確認。
- A005:平均販売1個/日、在庫10日分、発注点10個。現在庫と発注点が等しいため 発注確認。
検算式は、A001が 60÷30×14+6=34、A005が 30÷30×7+3=10 です。「発注点以下」の等号を落とすと、A005の判定を間違えます。
重複しているA007は、別倉庫の在庫か、同じ行の二重取込かが不明です。ここで勝手に20個へ合算しないことが大切です。倉庫コードや元ファイルを確認してから扱いを決めます。
自社のExcel・CSVへ移すときに決めること
サンプルで答えが合ったら、自社データの一部で試します。列名だけを合わせる前に、次の5点を確認してください。
- SKUの単位:商品・色・サイズのどこまでを1行にするか。JANやモール商品コードとの対応表が必要か。
- 在庫の範囲:倉庫の現物、販売可能数、引当後残数のどれか。配送中の数量を含むか。
- 販売の期間:各チャネルが同じ30日間か。返品や欠品による販売機会の減少をどう扱うか。
- 入荷予定と調達日数:発注済み数量・予定日・最低ロットを別に確認できるか。
- データの持ち出し範囲:社内ルールに沿って必要な列だけを渡せるか。最初は匿名SKUと数量だけでも試せます。
発注点は「いつ発注を検討するか」の基準です。発注量を決めるには、入荷予定、発注サイクル、目標在庫、発注ロットなども必要です。点検結果だけで注文を確定させず、条件をそろえて判断します。
毎日回したくなったら、データ取得と判断を仕組みにする
この教材は、CSVを人が用意して、その時点の在庫を確認する運用です。Claudeを外部データやプログラムへ接続する構成もありますが、会話にファイルを添付するだけでは、最新在庫の取得・記録・更新まで自動で運用されるわけではありません。
Amazon・楽天・倉庫のデータを継続的に集め、需要予測と発送数量の計算まで回したい場合は、取得・更新頻度と判断ルールを一緒に設計する段階です。
当社のS-walletは、工場からECモールまでの在庫を扱い、需要予測と発送数量の計算を支援します。14日間の無料トライアルについて相談することもできます。
まず在庫金額の改善余地を試算したい方は、在庫圧縮シミュレーターを使えます。
よくある質問
Claudeへ自社の在庫データを渡さずに試せますか?
はい。この記事のCSVとExcelは練習用の架空データです。まずサンプルで点検と検算を試し、自社データへ移すときに、社内ルールと渡す列の範囲を確認してください。
発注点が出れば、その数量を発注してよいですか?
発注点は発注を検討する時点の在庫水準であり、発注する数量ではありません。入荷予定、最低ロット、発注サイクルなどが未提供なので、この教材では発注数量を計算していません。
Claudeの結果が答えと違ったら何を確認しますか?
まず行ID、空欄とゼロの区別、重複SKUの全行除外、発注点以下という等号条件を確認してください。文章による説明だけでなく、元の数値を代入した計算式を出させると違いを見つけやすくなります。
Excelファイルでも試せますか?
Excel版の「架空の在庫データ」シートA1:F9に、CSVと同じ8行を入れています。Claudeの利用環境によってファイルの対応条件が異なるため、読み込めない場合はCSV版を使い、公式のアップロード案内を確認してください。