「在庫を何とかしないと」と思いながら、何から手をつければよいか分からず、結局動けないまま数ヶ月が過ぎる。これは、多くのEC事業者に共通する状態です。意欲がないのではありません。むしろ、課題が大きく見えるからこそ、最初の一歩を間違えると挫折しやすい——それだけのことです。
本記事は、「在庫最適化を始めるなら、まず何をやればいいか」に絞ってお伝えします。難しいことから始めない。お金をかけることから始めない。今日の30分でできることから始める。その入り口が分かれば、半年後には景色が大きく変わります。
- 在庫最適化で「失敗の入り方」と「失敗しない入り方」
- 失敗しない順序:5つのステップ
- 図解:「失敗の入り方」と「失敗しない入り方」を一枚で
- 結局、どこから始めるか(業態別)
- まとめ
在庫最適化で「失敗の入り方」と「失敗しない入り方」
まず、よくある「失敗の入り方」から見ます。心当たりがあれば、そこが躓いている場所かもしれません。
よくある失敗の入り方
3つに共通するのは、「大きく動かそうとしている」 ことです。大きく動かすにはエネルギーも時間も要り、結局動かないまま、課題感だけが膨らみます。さらに、「大きく始める」入り口は社内の合意形成や予算承認も伴うため、始める前に何ヶ月も止まる、という二重の停滞を招きます。
失敗しない入り方
入り口を変えるだけで、止まっていた仕事は動き出します。失敗しない入り方は、ただ1つです。
「小さく始めて、見えたものから次を決める」——これが、止まっていた在庫最適化を動かす最も確実な順序です。
失敗しない順序:5つのステップ
現状把握から始めて、最終的に仕組み化に至るまでの順序を、5ステップで示します。順番には意味があります。
図解:「失敗の入り方」と「失敗しない入り方」を一枚で
2つの入り方を、視覚的に並べます。
上段の3つは、つい選んでしまう「大きく始める」入り方。下段の5ステップは、現状把握から段階的に進める「小さく始める」入り方です。最初の一手の違いが、半年後の景色を大きく変えます。
結局、どこから始めるか
5ステップは原則として上から順に進めるのが基本ですが、自社がどこから着手すべきかは業態によって変わります。
数百〜数千SKUを抱える型では、STEP1の「現状把握」を、原則として全SKUで一度に行います。手作業では現実的でないので、データ整理を表計算やツールに頼って一気に並べる。「全SKUに在庫日数の列を一度入れる」が、最初の一手です。まずは在庫金額上位20商品からでも、流れは作れます。
季節品は、シーズン外に滞留が積み上がります。最初の一手はSTEP2「滞留の特定」、特に「シーズン終了後◯ヶ月経過したSKU」をリストアップすること。次のシーズンが来る前に処理しておくことが、回転率を保つ条件になります。
リードタイムが長く、1回の発注ミスが長期に響く型です。STEP1の現状把握と並行して、発注済み在庫の「あと何日で入荷するか」も並べておくと、STEP4の発注見直しに早く進めます。在庫日数とリードタイムを同じ表に置くのが要点です。
業態によって最初の一手は変わりますが、共通するのは「現状を見える化する」——この一歩から始まることです。順序を守れば、半年後には在庫評価額・滞留比率・キャッシュの3つすべてが目に見えて変わってきます。逆に、順序を飛ばして大きく動かそうとすると、半年後も同じ場所にいる——これが、これまで多くの事業者を見てきての実感です。
まとめ
在庫最適化が進まないのは、やる気ではなく、最初の一手の選び方の問題です。いきなり全SKU、いきなりSaaS、いきなり発注ルール——これらは、課題の大きさに対して動きが大きすぎて、続きません。
失敗しない入り方は、現状把握の小さな一歩から始めることです。SKUごとの在庫日数と最終販売日経過を1枚に並べる。それだけで、何が滞留しているかが見え、次に動かす相手が決まり、発注を見直す材料が揃い、最後に仕組み化のフェーズへ進めます。順番には意味があります。
私たち Arke がデータとAIで取り組んでいるのも、この「小さな一歩から仕組み化へ」の支援です。明日の30分から動き出せます。
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